口唇ヘルペスと性器ヘルペス

口唇ヘルペスと性器ヘルペスは性感染症に分類される病気です。
どちらも単純ヘルペスウイルスによって発症しますが、発症する部位や原因となるウィルスのタイプが異なっています。
単純ヘルペスウイルスには1型と2型があり、口唇ヘルペスは主に1型によって、性器ヘルペスは2型によって起こります。
しかし、1型と2型の単純ヘルペスウイルスはよく似ているため、口周りに出ていた症状が性器に感染するという場合もあります。

口唇ヘルペスの症状としては、口周りに小水疱ができることが特徴です。
初期段階では発疹や発赤などが見られ、とくに強い痛みやかゆみなどが発生することがあります。
口唇ヘルペスは一度治ったように見えても再発することの多い病気です。

また、性器ヘルペスの症状としては、性器の周辺にかゆみやヒリヒリとした痛さ、熱感などが現れます。
その後は発疹や発赤などが現れるようになり、しだいに水ぶくれや潰瘍などの症状が現れてきます。
単純ヘルペスの症状が悪化すると、全身のほてりや倦怠感などが現れてくることもあります。

口唇ヘルペスと性器ヘルペスは、どちらも単純疱疹と呼ばれる病気になります。
同じくヘルペスウイルスによって起きる帯状疱疹とは、症状の出方や原因となっているウィルスの種類に違いがあります。
帯状疱疹では全身や体の一部、とくに右半身か左半身に帯状の発赤や水ぶくれなどが現れることが特徴で、原因となっているウィルスも水痘・帯状疱疹ウィルスと呼ばれるものになります。

口唇ヘルペスや性器ヘルペスの治療には、帯状疱疹の治療にも使われるゾビラックスやバルトレックス、セントレックスなどが使用されます。
このうちのセントレックスはバルトレックスのジェネリック医薬品になります。
これらの抗ウィルス薬にはヘルペスのウィルスの増殖を抑える効果があるため、なるべく初期症状が出た段階で使用を始めると、病気の治療が早まります。
通常、症状が出なくなるまでには1週間程度の時間がかかります。

ヘルペスの治療薬

口唇ヘルペスと性器ヘルペスを治療する際に使われる薬は、どちらも抗ウィルス剤と呼ばれる薬です。
抗ウィルス薬の一つであるゾビラックスは、ヘルペスの治療薬として最初に使われ始めた薬で、アシクロビルが主成分となっています。
一方のバルトレックスの主成分は、バラシクロビル塩酸塩と呼ばれる成分です。

ゾビラックスは、ウィルスに感染した細胞のなかでウィルスのDNAが伸長するのを妨げることによって、抗ウィルス効果を発揮します。
製品としては錠剤タイプのほか、クリームや軟膏などの外用薬タイプ、点滴静注用の製品などがあります。
口唇ヘルペスや性器ヘルペスの治療では、主に内服薬が用いられますが、患部に直接塗る外用薬タイプのものが使われることもあります。

性器ヘルペスや口唇ヘルペスなど、単純疱疹の治療としてゾビラックスを服用する場合には、通常1回アシクロビルとして200ミリグラムのものを1日5回服用するようにします。
また、腎臓が良くない人や高齢者では薬の服用間隔が調整されることもあります。

一方のバルトレックスも、ヘルペスのウィルスに感染した細胞内でDNAの複製を妨げることによって、抗ウィルス作用を示す薬です。
バルトレックスの製品としては、主に内服薬タイプのものが用いられます。
この薬はプロドラッグであるため、体内でアシクロビルに変換されてから効果を発揮します。

そのため、作用時間がゾビラックスに比べて長くなっているのが特徴です。
単純疱疹の治療に使う場合には、1回バラシクロビル塩酸塩として500ミリグラムのものを、1日3回だけ服用すれば良いようになっています。
セントレックスについては、バルトレックスのジェネリック製品であるため、効果や服用方法などはバルトレックスと同じになっています。

どの薬も副作用はあまりありませんが、下痢や吐き気、腹痛などの症状が出ることがあります。
まれな副作用としては、ショック症状やアナフィラキシー、意識低下などを引き起こす場合もあるので、持病やアレルギーを持っている人は事前に医師や薬剤師などによく相談するようにしてください。